煮物に味噌汁にラーメンに。日本料理の味の決め手として出汁は命です。
そんな和食の出汁に使われる材料といえば鰹節であり、鰹節の良し悪しは料理の味を左右することになるでしょう。
今回ご紹介する「久政」さんは、昔ながらの伝統製法で、本物の味にこだわり続ける老舗の鰹節専門店。
久政さんで作られた鰹節は、グルメなあなたの隠し味として、大切な人への贈答品として決め手となることでしょう。

三重県はカツオで有名
カツオの漁獲量は静岡県や東京都などが多いのですが、三重県も毎年BEST5に入る漁獲量の多い地域になります。
特に太平洋に面する志摩市以南は黒潮によりカツオの水揚げが多い地域でもあります。
志摩市の郷土料理てこね寿司
「てこね寿司」はカツオの刺身を使った志摩市の郷土料理で、農林水産省が主催する「農山漁村の郷土料理百選」に三重県の郷土料理として伊勢うどんと一緒に選定されています。
漁獲量の多い志摩市ではカツオを食する機会も多く、良質なカツオが手に入りやすい地域でもあります。
伊勢神宮の鰹木
鰹木というのは、神社建築の屋根に使われる装飾で、棟に直角になるように何本も並べられた丸太のことを指します。
見た目が鰹節に似ているから鰹木という名称になったといわれており、神社によって2本~10本の数が存在します。
伊勢神宮の内宮社殿に使われている鰹木の数は10本で最も多く、次いで外宮の社殿で9本使用されており、外宮が1本少ないのは、内宮に遠慮して減らしたと考えられています。

鰹節の歴史と製造方法
生のカツオを乾燥させ水分を抜いた鰹節は、まるで拍子木のような見た目と固さになります。
5世紀頃の古墳時代(伊勢神宮外宮が創建された頃)にはカツオの干物のようなものが食されていたとされ、現在の鰹節に近い形状のものは室町時代以降だとされています。
江戸時代に燻乾法とカビ付け法が確立されたことで、長期保存が可能となり、全国への流通が加速していきました。
鰹節に番付があった!
同じものが集約されると、必然的に行われるのがランキング。貿易や流通が盛んになった江戸時代は全国の名産品が江戸に集まり、江戸庶民はこぞってランキングしたことでしょう。
鰹節もまた例外ではなく、「諸国鰹節番付表」という相撲の番付表のようなものが実在していました。
当時最高位の大関には薩摩や土州(土佐)の鰹節がランキングされており、現在もその美味しさが受け継がれていることを考えると、納得いく番付なのかなと思ってしまいます。
では、三重県の鰹節は番付されているのか?となるのですが、なんと志摩の波切節が行司役として一番大きく記載されているのです。
勝敗を決する役割の行司役ですので、志摩の波切節は江戸時代から特別なものだったのかもしれませんね。

鰹節の製造方法
生切り(下処理)
↓
煮熟(熱処理)
↓
焙乾(いぶす)
↓
カビ付け
↓
日乾(天日干し)
鰹節の製造方法は、生のカツオを頭や内臓を取って下処理し、煮窯に入れて熱処理します。この際、煮籠にカツオを並べる作業を籠立てと言い、鰹節の形を決める重要な工程のひとつになります。
熱処理後は骨抜きをし崩れた身は修繕し形を整え焙乾に備えます。(ここまでは1日程の工程となります)
その後、10日~20日ほど”いぶす”ことを繰り返し、次に天日干しとカビ付けの工程1ヶ月を3回ほど行い、4ヶ月~半年をかけてカツオを鰹節へと乾燥させて仕上げていきます。


久政(きゅーまさ)の鰹節
鰹節専門店「久政」さんは明治三十年創業の100年以上の歴史を誇る老舗になります。
鰹節本来の味を引き出す昔ながらの伝統製法にごだわり、本物の味をつくり続けています。
手火山式焙乾方式
焙乾時に行われる燻製方法のひとつで、現在行われている鰹節の燻製方法では一番歴史の深い製法になります。
煮熟したカツオが入った蒸籠(せいろ)を何段か重ね、かまどの上に置き燻製させていきます。
手火山式焙乾方式の特徴として、かまどの直火から近くぎりぎりの高温でいぶすことができるため、カツオの劣化が少なく香ばしく美味しく香りの強い鰹節に仕上がることにあります。
しかし、職人の技が重要な上、つきっきりで火加減しなければいけなく手間がかかることや、大量生産できないことから、全国で手火山式焙乾方式が行うお店は現在では数えるほどしか残っていない製法なんです。

全て手作業で進む職人の技
職人の技は燻製だけではなく、カツオをさばくところからカビ付けし日干し完成されるまでの全ての工程に洗練された職人の技が必要になってきます。
非効率の中に効率を作りだすことができるのは、職人の為せる業があってこそのもの。
100年以上こだわり抜いた本物を作り、そして後世へと引き継いでいく。それが久政クオリティーなんです。
久政の鰹節・取り扱い商品
鰹節専門店「久政」さんで取り扱う鰹節や鰹節以外の商品をご紹介。
鰹節は、「勝男節」などと呼ばれ縁起が良いものとされ、昔から祝儀や引出物など贈答品として使用されてきました。
ご家庭の一品として、大切な人の贈り物として久政の鰹節はおすすめですよ。
鰹節「花かつお」
素材の違いを感じられる一品。
平刃削りはオーソドックスな削り方なので、出汁を取るのに最適。細かい細刃削りは、出汁を取ってもいいですが、小鉢などの付け合わせにぴったりです。
画像に写っているには細刃削りと、口の中でふわっと溶けてしまうような平刃乱尺削りになります。
鰹昆布ふりかけ
新商品「伊勢志摩八方だし」
伊勢市神久の昆布専門店「酒徳昆布」、度会郡玉城町の醬油専門店「ミエマン醬油」、そして志摩市大王町の鰹節専門店「久政」がコラボレーションして2020年に新しく発売した「伊勢志摩八方だし」。
どのお店も創業が100年以上の伊勢志摩の老舗になります。
たまり醬油をベースに鰹節と昆布の合わせだしを加えたダシ醬油で、醬油の塩っ辛さよりもコクと旨味が強く感じられる一品です。
贈答品の詰め合わせセット
贈答品として各種詰合せのセットがあります。
2020年、大切な人となかなか会うことができないご時世だからこそ、ちょっとした気遣いが嬉しく温かく感じたりするものです。
伊勢志摩の本物の味を届けてみてはいかがですか。
まとめ:伊勢志摩の代表する老舗専門店
- 三重県はカツオの産地としても有名
- 江戸時代から認められた志摩の波切節
- 久政の鰹節は手火山式焙乾方式
- 旨味が凝縮し香ばしく美味しい鰹節
- 大切な人への贈答品として


お店のご紹介
久政 創業明治三拾年 伊勢志摩波切鰹節 | |
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住所 | 〒517-0603 三重県志摩市大王町波切1000-2 |
電話番号・FAX | TEL:0599-72-4141 FAX:0599-72-3113 |
営業時間 | 店舗販売はしていません。 |